在宅ワーク 初めの一歩

私が在宅ワークを始めて最初にお取引していただいたクライアントさんは、自宅から自転車で10分ほどのところにお住まいでした。

全国からライターさんを募集していたクライアントさんであり、本当にたまたまのことでしたから、とても驚きましたね。

当時の私はパソコンは持っているけれど家族共用のもので、スペックもあまり高くなく、またどのように執筆していったらいいのかまったく分かっていませんでした。

そんな私に、クライアントさんは「事務所に来てくれれば教えますよ」と言ってくださいました。

そして私は自転車にパソコンを積んで、クライアントさんの事務所を訪れたのです。

事務所といっても普通のマンションのお部屋を事務所として使っておられ、家族のかたはリビングで、その方は仕事部屋でお仕事されていました。

そしてパソコンにうとい私にGoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートの存在を教え、操作の仕方も逐一説明してくださいました。

遠距離の面談に欠かせないスカイプのインストールはもちろん、部屋と部屋に離れてスカイプにお互いを映し「つながってるでしょ～」などと実演もしていただきましたね。

少し慣れてからは、シリウスのレクチャーのときにも、またクライアントさんの事務所を訪れました。

ソフトのインストールとともに「このボタンを押して次ここに移動して」などと細かい手ほどきもしていただいて、とても助かりましたね。

そのとき教えていただいたことが、後の在宅ワークにとても役立っています。

このクライアントさんには、特別な思いがあります。

パソコンを触る仕事から10年以上遠ざかっていた私に、よくまあさじを投げずに手取り足取り教えてくださったなと、感謝しかありません。

私が働いていた時代には、なんとWindows 95で仕事をしていました。

フロッピーディスクなどもまだ使っていた時代であり、もう浦島太郎状態だった私。

Eメールにファイルを添付したこともなく、圧縮という言葉さえ知らず、クライアントさんにはメールの送り方や圧縮の仕方から教えていただいたのです。

今でもそのクライアントさんとは、近況報告や年賀状のやりとりをしています。

私がこの仕事を続けていられるのは、最初にレクチャーしてくださったクライアントさんのおかげ。

それがとてもありがたかったので、私も誰かに教える立場になったとき、同じように辛抱強く関わっていこうとずっと思っていました。

最近ではふたりの娘にパソコンの操作を教えることもでてきましたが、何も知らない彼女たちに教えるとき、その当時のことを思い出しながらやっています。

ワードとGoogleドキュメント、ExcelとGoogleスプレッドシートが同じようなもので互換性があるなどという基本的なことも、わかりやすく教えていけたらなと。

自分がしてもらってうれしかったことや助かったことを、時を経て誰かに同じように返すことができる。

今それをとてもうれしいなと思っています。

飲み込みが悪くアナログ人間の私を、どうにか使えるように育ててくださったクライアントさん。

そのようなクライアントさんばかりでないということがわかった今、ありがたかったという一言しかありません。

それをお返しするために、私もまずは娘たちに、わかりやすいなと思ってもらえるような指導ができるようにがんばります！

【macky215】