在宅ワーク 程よい人間関係って?
私は高校を卒業してから結婚するまで、正社員として働いていました。
最初のお勤めは女子社員が15人ほど、同期の女子が4人というにぎやかな職場でした。
これだけ女子がたくさんいると、やはり合う人と合わない人が出てきますし、先輩後輩としての人間関係や、同期の中の派閥などで、最後はけっこうしんどくなったのを覚えています。
そんな経験があったので、次女が幼稚園に入り在宅ワークを始めた私は「人間関係に惑わされない素晴らしい働き方!」と感動すら覚えていました。
在宅ワークをしていると、子どもたちが幼稚園や学校に行っている間は誰とも話すことがありません。
たまに来る宅配業者さんと言葉を交わしたり、ゴミ捨てで会う管理人さんと「おはようございます」をいうくらい。
そんな生活が何年も続くと、次第に今度は別の欲求が出てきます。
「誰でもいいから大人と話したい!」
仕事のやりとりはクライアントさんとメールやチャットでしますが、そうしょっちゅうミーティングをするわけでもありませんし、口から声を出すことが本当になくなってくるのです。
子どもたちが帰宅するともちろん声を出しますが、それはあくまで子どもとの会話。
躍動感の溢れる、言葉が言葉を呼ぶ、ウイットのきいた大人の会話に飢えてしまうのです。
夫が帰宅したらそれなりに話もしますが、やはり私が求めているような会話にはなりません。
なによりその時にはもう私も疲れていて、会話するより寝たいという気持ちが勝っているのですね。
いったい私はどの程度の人間関係なら満足できるんだろう?と考えてみました。
女子社員が15人もいた最初の職場のような人間関係は、明らかに私には過剰です。
かといって産後のような、終日誰とも話さないというのは少なすぎます。
買い物に行ってご近所さんに偶然会って、10分ぐらいペチャクチャ喋るというのが、自分に合った会話の具合なのかなあと思ったり。
ここ1年ほどその欲求が薄れてきているのは、娘たちが成長し、大人の会話に近い内容のトークができるようになってきたからかもしれません。
特に長女とはボケとツッコミで楽しんだり、恋愛や音楽などの深い話ができるようになってきましたからね。
リアルな人間関係が苦手だから、という理由で在宅ワークをするのも、入り口として十分にアリだと思います。
ですが完全に人間関係を断ち切ってしまうと、それはそれで物足りなくなってくるもの。
どの程度で物足りなくなるかは人によって違いますが、毎日複数の大人と話さなくてはストレスが発散できないという人は、やはり在宅ではなく外に行くほうがいいのでしょう。
正社員時代のしんどさと、在宅ワークを始めてからの物足りなさを両方経験し、人間って誰とも関わらずに生きていくことはできないんだな~としみじみ感じました。
こんな私でも、人と話したくなるのですから。
それに気づかせてくれた在宅ワーク、やってみてよかったなと思います。
たんに仕事をして報酬を得られるだけでなく、自分という人間がどのくらいのコミュニケーションを欲しているのか、その微妙な加減を知ることができますので。
在宅ワークはある意味、自分に真正面から向き合い、深く知っていく作業なのかなあと今では感じています。
【macky215】