好きなことなら伝わりやすい
私がライターの仕事を始めたころ。
インターネットなどに普通以上に疎い私の親はとても心配してました。
そのころは仕事の仕組みもよくわかっておらず、自分の記事がどう使われるかもわかっていなかったため、親にうまく説明できず。
「あるキーワードを入れた記事を書くんだよ」というと、「使ったこともない商品の記事を書くんでしょ?それって詐欺じゃないの?」とまで言われました(笑)
今は記事がどう使われて、それがどういう利益を生むか、というのがわかってきたので、親にもちゃんと説明できてます。
でも親は「わからない世界だから、心配ではあるのだけど・・・」といまだに言っていますが。
確かにライターの仕事募集の中には「モニター募集」のようなものがあって、使ってみた感想を記事にするようなものもありますね。
もしくは商品を使わずに「商品紹介」だけをするような仕事もあります。
私にテクニックがないだけかもしれませんが、使ってことないものを「これはよかった~!ぜひ買ってみて~」という記事は書ける自信がありません。
モニターの記事作成はしたことがあったのですが、当時20歳後半だった私が、40歳オーバーの化粧品を使った感想を書いてほしい、といったものでした。
「しっとりする」とか「肌がもっちりした印象」と無難なことを書きましたが、正直あまり美容にも詳しくなく、しかもお肌の切実な悩みがない年齢のときだったので、よくわからずに書いてしまいました。
今だったらもうちょっと実感のこもった記事がかけたかも(笑)
ライターさんをクライアントさんに紹介するときに、まず言われるのが「得意ジャンルを聞いて」ということ。
それはやはり得意なこと、興味のあることであれば、すいすい書けるだろうし、調べるにしても楽しく調べられるだろう、ということがあるからです。
ライターさんにはやはり気持ちよく(楽しく、とは書かないのはこだわり。だって記事をちゃんと書くと悩んだり、生みの苦しみがあったりするはずだから。でも終わったときにすがすがしく終わってもらえば、それは気持ちいい仕事と思ってもらえるはず)仕事をしてもらいたいので、無駄に苦しい作業はしてほしくない、というのがあります。
もちろんどんなジャンルでも書けるライターさんもいます。
でもそういうライターさんでも、得意と不得意はあるはず。
だったら、できるだけ得意なところでやってもらいたいよね、というのがあるのです。
ライターさんに「人に伝えるのがこんなに難しいとは」という話をされました。
なので「今書いている内容について『好き』という気持ちが伝わるほうが大事ですからね」という返事をさせてもらいました。
そのほうが、嫌いな人は書いたうまい文章より、ちょっと不格好な文章でも気持ちや伝えたいことは伝わると思うからです。
鉄オタとかアニオタとか、オタクと言われる人が書いている文章をみると、何について熱く語っているかわからないけど、それに対して本当に好きなんだな、というのは伝わりますよね。
もちろん私たちが扱うのは記事ですから、ちゃんと文章になって、内容が伝わらないといけないのですが。
でも読んでいて「買ってみたい、使ってみたい」と思うのは、やはりそういう気持ちまで乗った文章なのだと思うのです。
書いた本人が欲しい、使いたいとなった記事なら、大成功ではないでしょうか。
口コミがあれだけ影響力の持つものになったのは、やはり自分が思った通りのことを書いている、というのが伝わった結果だと思います。
かといって、自分の得意なばかりが仕事として存在するわけでないので、得意でなくてもチャレンジしなきゃいけないときもありますけどね。
今好きなことで記事を書いていけているのだったら、それは幸せな仕事をできているということかもしれません。
【ライターおやかた】